今回は、「道路にまで枝が出て邪魔になるので切りたいけど、どこを剪定したら花が綺麗に咲くのかがわからない」という、三重県・B様の事例を、いただいた写真を元に剪定や手入れの方法を解説しています。
・どこを剪定したら花が綺麗に咲くのかがわからない
・道路にまで枝が出て邪魔になる
・今後、樹形が良くなるようにしたい
花を咲かせる剪定と、将来的に樹形をよくするにはどうしたらよいか、そして道路にまで出てしまうほど伸びる枝もせっかくなので解決した方がよさそうです。
シダレウメの配置について
写真のシダレウメの高さは60cmくらいでしょう。
「道路にまで出て邪魔になる」ということですが、それが嫌な場合は、道路側の2本の枝を短く切ってしまうか・・・
もしも枝を切ったことで樹形がおかしくなる恐れがある場合は、少し道路から離してまだ木が小さいうちに50cm以上道路の反対側に植え場所を変えたほうが良いと思います。
どのくらいの高さまで大きくするのかわかりませんが、もしも樹高を 2mとか大きく育てる場合は、今の3倍以上横に広がると思ってください。
だから今の場所だと、全然幅が足りず道路に1m以上ははみ出します。
仮に今の高さであっても、そこからさらに横に伸びるので、道路に出たという報告からも幅は足りていないということになります。
木は確実に大きくなります。私なら今の場所から1m以上は移動し、その場合90°くらい右に回せば道路に出る確率の高い枝が少なくなります。
せっかく化粧砂利を敷いているのに払いのけて土を掘らないといけなくなりますが後々のことを考えると移動した方がよいかと思います。
シダレウメの剪定について
続いて剪定についての話になりますが、
「どこを剪定したら花が綺麗に咲くのか」ということですが、仕立てたい高さによって切る位置は変わってきますが、ここではとりあえず、だいたい今の高さで仕立てることを前提にお話しします。
はじめに今の高さで仕立てるとどうなるのか、想定した画像を見てください。
写真に写っている枝葉の状況から推測して、今後どのように伸びるのか黄色い線を枝に見立てて書いてみましたが、おそらくこれ以上伸びるでしょう。
こちらの画像では
主枝は、真ん中の上に伸びる赤線の四角部分の枝なわけですが、ここで見てほしいのが(次の画像)
赤丸の部分でちょっと樹高が高くなりますが、この枝をもう一段伸ばしてこれを主枝にした方がバランス的によい樹形になると思います。
私ならそのようにします。だから今は赤丸は放置します。
そしてこちら
あまりにも主枝部分の枝が少ないので、そのお隣の枝も様子を見て枝を作った方がよく、今は我慢して葉が落ちてから枝を見極めて枝の選別作業をした方がよいと思います。
シダレウメの基本
枝垂れる木は高さが肝心なので、上の部分をしっかり作ってやらないと下が重苦しくうっとうしい木になります。
ここで一度「枝垂れる木の基本的な剪定方法」と「枝垂れる木の剪定箇所による樹形の違い」を図を見て理解してもらえればよいです。
シダレウメもそうなのですが枝垂れる木は上から下に向かって枝がたれ下がる習性があります。
ということは上に向かって伸びる枝を切らないで残しておいてもその枝は一回上に向かいますが、他の木のように上に伸びるのではなく、自然と下に向かって垂れて伸びます。
だからこの習性を利用するためには、枝の上側からでる枝を残す必要があります。
逆に必要ない枝というのは、下に向かって生えている枝はいりませんので、そのような枝は全てカットしておいた方がよいです。
お分かりいただけますでしょうか?
結局枝垂れる木は、下に伸びている枝の下側から出ている枝(新芽)は全て切らないと、どんどん下側が厚くなり重い感じになってしまうし、きれいな樹形にはならないのです。
いただいた写真を見ると、すでに今重苦しくうっとうしいような下部分ですが、少し整理した方がよいかもしれません。
今は太い枝はそのままにしておきます。
わかりやすい所で見てみますと(次画像)
画像のように枝の下から出る下に向かって生えている枝はいりません。
これらを全て整理しただけでもだいぶスッキリ見えるようになります。
シダレウメ剪定のまとめ
まとめますと、現状では
・90°右に回転させて、植え位置を替えします。
・枝の下側から出る下に向かって生えている枝は不要なので全て切ります。
・枝の上側から出る枝は切らないで放置しておき、もうちょっと伸ばして枝を作った方がよいです。
今後形良くしていき、花を咲かせるためには今できる作業はそのくらいだと思います。
ちなみにこれ(次画像)は盆栽ですが、このように樹形を完成させるときれいに見えますよね。
庭植えであっても完成樹形はこれでよく、このようにするには幹から出る主となる枝(黄色丸部分)を作ってやることです。