梅の手入れではどんな剪定ばさみを使ったらよいか

ここでは私が梅の剪定作業で、実際に使っている剪定ばさみの種類や用途に合わせたハサミの選び方や使い方を解説していきます。また、絶対に買ってはいけない剪定ばさみや研ぎ方も解説していきます。

私は常時、腰に3本の剪定ばさみとノコギリをぶら下げています。これがいつも使っている剪定ばさみ類一式です。
剪定ばさみ一式

この中で、梅の剪定で一番多く使っている剪定ばさみは、このハサミです。
梅の剪定で使う剪定ばさみ

梅の剪定で使うハサミの選び方

梅の剪定をする時のハサミの選び方については、梅の木の大きさ、幹や枝の状態によって違いがありますので、使用目的や剪定の場面に応じて選ばれるとよいです。

剪定ばさみを選ぶコツは、時間をかけないで効率よくきれいに仕上げるような剪定ができるように、その場面ごとに選択することです。

たとえば、太くて切れないような枝を小さな剪定ばさみを使っても腕力と時間だけがかかってしまい疲れます。細い徒長枝が樹形内部が見えないほど混み合って伸びているのに、太い枝を切る「枝切りばさみ」で時間をかけて切っていても効率が悪いです。

このような剪定の場面に応じて、私が使っているのは次のようなハサミです。参考にしてみて下さい。

枝が太い場合は、枝を切る「枝切りばさみ」が良いです。
梅の剪定で使う枝切りばさみ

細い徒長枝などを切る場合は、小型で刃の先が細い「剪定型芽切鋏」が便利です。
梅の剪定で使う剪定型芽切りばさみ

梅の樹形の外側の輪郭を揃える時に、一番広く刈れる便利な「刈り込みばさみ」です。
梅の剪定で使う刈り込みばさみ

小範囲の葉を刈りたい時の剪定は、「片手刈り込みバサミ」という、刃の長い片手で使えるはさみが便利です。
梅の剪定で使う片手刈り込みばさみ

ホームセンターで「片手刈り込みバサミ」は絶対買うな!

ホームセンターで売っている、刃の長いタイプの「片手刈り込みバサミ」は、完全におすすめしないので、絶対に購入してはいけませんよ!

なぜそんなことを断言するのかというと、全く同じ不具合が生じたからです。

どんな不具合が生じたのかというと、新品で購入したはずなのに、100回程度切っただけで、刃が交差して刃が噛んでしまい、終いにはネジが緩み始め、とうとう使い物にならなくなりました。これは、1本だけでなく2本とも同じ状態でした。

これが、2本とも、1日(10分)でダメになった「片手刈り込みバサミ」です。
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ホームセンタで購入した片手刈り込みバサミ

「片手刈り込みバサミ」を購入する場合は、大量生産ではない、1本1本鍛造した手作業で造られているハサミの方が絶対に良いです。

8,000円くらいなので、不具合商品の2倍くらいとちょっとお高い感じはするかもしれませんが、これ1本で15年使っていても、全くガタつく様子もなく、丈夫でまだまだ使えます。
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片手刈り込みバサミ

外見上は同じに見えるかもしれませんが、まがい物とは違い、手造りは全く別物のようです。

2本10分で8,000円と、1本15年で8,000円ならどちらを選びますか?

剪定作業時にどんな場面でどんな剪定ばさみを使うか

梅の剪定作業時に使う3本のハサミについて、その違いについて、使う場面ごとに解説します。

太い枝を切る時はどんなハサミを使うか

梅の剪定で、太い枝を切る時に「枝切りばさみ」を使います。
枝切りバサミ

両刃ではなく片刃です。片方が受けになっているので、太い枝でもスパッと切ることができます。

毎年剪定をしていれば、少々太い枝でも問題なく「枝切りばさみ」で作業ができます。

問題なのは数年放っておいた枝で、そのような枝は太く長くなります。このような枝は、実際に切ってみるとわかると思うのですが、かなり硬いので、もしかしたら、この「枝切りばさみ」でも手に負えないことがあります。

もしも、これで切れなければノコギリの登場になります。

細い枝などを切る場合はどんなハサミを使うか

梅の細い枝や徒長枝などを切る場合は、小型で刃の先が細い「剪定型芽切鋏」が便利です。
芽切りばさみ

「剪定型芽切鋏」はハサミ自体が小さいので、小枝が密集している場面で、細かい作業や小回りが利くので便利です。

両刃ではなく片方が受けになっている片刃で、2cmくらいの太い枝も「枝切りばさみ」のように、意外と簡単に切れるので1本持っていると重宝します。

ちなみに何も知らずに一番初めに購入した「木ばさみ」というハサミがあります。昔の人たちがよく使っていたハサミで、今も年配の方の多くが使っているみたいです。ただ、私はカチャカチャと耳ざわりな木鋏の金属音にストレスを感じたので、この「木ばさみ」は一度しか使ったことがありません。
木バサミ

「木ばさみ」に変わるハサミとして使い出したのが「剪定型芽切鋏」で、ほとんど音が出ないタイプです。バネ式で自然に戻ってくるタイプなので作業効率がアップします。

広く切りたい時はどんなハサミを使うか

梅の樹形の外側の輪郭を揃える時に、広い範囲を刈れる便利な「刈り込みばさみ」です。
刈り込みバサミ

梅を剪定する場合の「刈り込みばさみ」の使い方は人それぞれで、外から作業するか、中から作業するかの2つの違いがあります。

1.初めに「刈り込みばさみ」で樹形の輪郭を決めるように、伸びた枝葉の外側を刈ってしまい、次に内部の細かい作業に移る。

2.その逆で、内部の混んだ枝や枯れ枝、徒長枝などを抜き取り、最後に仕上げで「刈り込みばさみ」を使って外側の輪郭を調整する。

仕上げをしたい時はどんなハサミを使うか

小範囲の葉を刈ったり、仕上げをしたい時の剪定は、「刈り込みばさみ」のように使えて、しかも片手で使える「片手刈り込みバサミ」です。
片手刈り込みバサミ

これも、「刈り込みばさみ」と同じで、使い方は人それぞれで、2つの方法がありますが、広い範囲ではなく、小範囲での作業に限られます。

1.初めに「片手刈り込みバサミ」で樹形の輪郭を決めるように、伸びた枝葉の外側を刈ってしまい、次に内部の細かい作業に移る。

2.その逆で、内部の混んだ枝や枯れ枝、徒長枝などを抜き取り、最後に仕上げで「片手刈り込みバサミ」を使って外側の輪郭を調整する。

こちらも、「刈り込みばさみ」と同様、外から作業するか、中から作業するかの違いです。

どんな場面でどんな剪定ばさみを使うかのまとめ

私の場合、用途に合わせて使っているので、これらの3本がないと仕事になりません。
梅の剪定で使う剪定ばさみ

例えば刃の長い「片手刈り込みバサミ」だけでも梅の剪定はできますが、細かい作業をする場合は時間がかかってしまい効率が悪くなります。

その逆で、刃の小さいハサミだと、枝葉を早く広範囲に刈るような場面では、時間がかかりすぎてかなり効率が悪くなります。

また、太い枝を切りたい時に小さな刃のハサミを使うこと可能ですが、ムダな力をかけるし時間もかかるので効率が悪いです。

「3本使わないと、やっぱり作業効率が悪く進みにくいなぁ!」という事実は、色々な場面で、色々なハサミを使っていくとわかるようになるはずです。

剪定ばさみの手入れ方法

剪定ばさみの手入れは、どれくらいの頻度で行なえば良いのかというと、樹種によっても違います。

たとえば、ヤニの多く出る松などの常緑樹類は、1日の作業を終わった時にでは全くダメで、1時間くらいに1度、ひどい時は30分に1度、刃の手入れをしないと、ハサミの間にヤニがこびりついて、挟む動作が鈍くなり作業が進みません。

梅の場合ですと、ヤニは出にくいので、それほど神経質に刃を研がなくても大丈夫で、1日作業をする場合は、ハサミの状況を見て、半日に1回とか、作業を終わった時に行なえばよいと思います。

剪定ばさみの研ぎ方

これは私が使っている剪定ばさみを研ぐ道具一式です。箱に水を入れて、砥石とハサミをうるかしておいてから砥ぐ作業に移ります。
剪定ばさみを研ぐ道具

研ぎ方は平らな面に対して、平らにヤニを取るように研ぎます。
剪定ばさみを研ぐ

こちらの面も同じように平らに研ぎます。
剪定ばさみを研ぐ砥石

表の面は 1ヶ月に1度くらい研ぐだけで良いです。
剪定ばさみの表面を研ぐ

このタイプのハサミは枝を切るのでヤニはあまり付くことはなく、研ぐ回数は一番少ないです。使った日の終わりに 1回だけ裏面を平らに研げば、だいじょうぶだと思います。
剪定ばさみの内側を研ぐ

反対側も同じように平らに研ぎます。
剪定ばさみの内側を平らに研ぐ

表の面は、どんなに剪定頻度が高くても、1ヶ月に1度くらいで良いと思います。
剪定ばさみを研ぐ回数

私の場合はこのようにして剪定ばさみを研いでいくのですが、少しは参考になりましたでしょうか?

人気の剪定ばさみ

剪定ばさみで人気なのはおそらく「枝切りばさみ」か、意外と「木ばさみ」ではないでしょうか?
人気の枝切りバサミ

人気の木バサミ

私が使っている「枝切りばさみ」と、一般の人が使っている「普通サイズの枝切りばさみ」を比べてみてください。大きさが違うことがわかると思います。
人気の枝切りバサミ大小

握る部分が大きく広いので、手が小さい方は苦労するかもしれませんが、刃が大きいこの「枝切りばさみ」を使うと、太い枝も結構簡単に切れてしまいます。

おすすめの剪定ばさみはどれ

梅を剪定するなら、私がおすすめするのは、間違いなくこの2本のハサミです。
おすすめの枝切りばさみ

おすすめの芽切りばさみ

でも、私的には確実に3本ないと作業はできないので、やっぱり3本ともおすすめします。
おすすめの剪定ばさみ3本