梅の枯れ枝を切り取る作業方法

梅の木において、枯れている枝の存在がわかれば、必ず切り取っておいた方がよいです。

健全な梅の木であっても、枯れる枝はどうしても出てくるものですが、その理由はわかりますか?

ここでは、梅の木に枯れ枝が現れる理由と、その枯れ枝を除去する作業方法を解説します。

なぜ枯れる枝ができるのか

健康に育っている梅の木でも、梅の木の周囲の環境や、その梅の樹形内部に潜んでいる生育環境によって枝が枯れることがあります。

梅の枝葉が枯れる理由の多くは、日が当たらないことで樹勢が弱くなって枯れたり、病害虫の被害によって生育状態が悪くなることで枯れることが考えられます。

たとえば、梅の木の周辺の上部に大きな木があって、日光を遮っている状況にある時は、梅の木全体の生育が悪くなる可能性があり、花芽も少なく、徒長枝も出にくいことが多く、枯れ枝も発生しやすいです。

逆に、日が当たる場所では、徒長枝が多く発生することで枝葉が密集し、樹形の内部に日が当たらなくなり、光合成ができずに生育の妨げになることもあり、枯れ枝が発生しやすくなります。

枝葉が密集すると、樹形内部は風通しが悪くなり、病害虫が住みやすい環境に変わっていき、病害虫も増える可能性もあり、枯れ枝が発生します。

伝染病のような病気によるものであれば、現在健康な枝であっても、風通しの悪さから改善される環境にないため、しだいに伝染病は拡大していき、枯れ枝が発生しやすいです。

このような悪循環が増えることで、樹形内部の環境はどんどん悪くなり、梅の木はだんだんと侵されていき、混みあっている樹形を中心に枝は枯れていくようになり、生育も悪くなっていきます。

どのようにして枯れ枝を除去すればよいのか

夏のうちは、葉っぱが繁っているので、枯れ枝は見つけにくいと思いますが、この時期に徒長枝などの不要な枝を切り取っておくことは、病害虫の発生を防ぐことにもつながりますので、適宜に間引いておくことも大事です。

ただし、夏場は切った枝元から、再び新芽が伸びて徒長枝が発生するので、スッキリしすぎる徒長枝の除去は控えた方がよいです。

枝葉が生い茂らないようにする作業として、葉っぱが生えてくる時期に、新芽を大きく伸ばさないように、見つけしだい抜き取る作業を繰り返すと、余計な枝葉は増えることがありません。
特に、新芽が小さいうちは柔らかいので、ハサミを使わなくても、手でもぎ取ることができます。
梅の徒長枝剪定

葉っぱが落ちる冬期になると樹形内部がよく見え、どれほど混みあっていたのかがわかるはずなので、枯れた枝は、樹形内部を見て、葉っぱが落ちたこの時期にすっかり取り除く作業ををすることをおすすめします。同時に、混みあっている枝の除去も、この冬期に整理しておくことをおすすめします。
梅の枯れ枝を剪定

枯れ枝除去で使用する剪定ばさみ

枯れた枝というのは、枯れたという思い込みから弱々しく折れやすいと思われがちですが、案外硬いものがあります。

特に、梅の枯れ枝を切ってみるとわかると思うのですが、細い枝でも意外と硬くて切れないものです。

梅の枯れ枝で痛い体験

梅の枯れ枝を整理していたら、一瞬で目が覚め、飛び上るほどの痛い体験をしてしまいました。

「梅の枯れた、太くて長い徒長枝を大量に剪定し、まとめて地面に置いておき、その上を歩いてしまった」
と想像して下さい。

梅の木の長い徒長枝なので、ほかの枝に使われる栄養を奪い去り、丈夫な葉を作った後なのでしょう。その徒長枝には意外と頑丈な「トゲ化」したようなものが出来ていることがあります。

それを知らずに踏んでしまったので、地下足袋のような薄めの靴の底は簡単に突き抜けて、素足に突き刺さってしまい、足は血みどろになってしました。

切った枝の上を歩かなければよかったのですが、まとめる時や運び出す時にも、手に突き刺さる可能性もあるので、梅の枯れ枝をかたずける時には、気をつけた方がよいです。

危ないので、その「トゲ化」した小枝を切り取っておこうと思い、切ってみると、枯れているのにもかかわらず、意外と硬いです。
梅の枯れ枝

枯れ枝は、それほど固いという事を伝えたかったのですが。では、そんな硬い梅の枯れ枝は、どんな剪定ばさみを使って切ったら良いのでしょう。

この枝切りバサミでないと手に負えないかもしれせん。または、場合によってはノコギリを使わないといけないです。
梅の枯れ枝を切り取る剪定ばさみ

それほど梅の枯れ枝は硬いのです。

上手く切れない時は、てこの原理を使って、その位置(ハサミで切る位置)に剪定ばさみを当てがって、枝を曲げて(手で下に力をかける)切ると、意外と簡単に切ることができます。場合によっては、切れる前に折れてしまうこともあります。
梅の枯れ枝を切り取る作業

梅の木の枯れ枝除去に、挑戦してみて下さい。