庭木には病気や害虫が発生していることを知っていましたか?
梅にも例外なく病害虫は発生します。
どんなに手入れや管理をしっかり行っていても大なり小なり病害虫は発生しています。

病害虫と言っても、ハチとかそのような頻繁に飛んでいる目に見えてわかりやすい昆虫ではなく、樹形の内部をよく見ないとわからないようなカビのような病気や、小さくて動かないような害虫らしくない生き物のことです。

気持ちが悪く感じるかもしれませんが、梅の木をしっかりと管理しないと他の庭木にも移る可能性もありますし、人間にも病気をもたらす可能性があるかもしれませんので、気をつけなければいけません。

ここでは、梅に発生する病害虫にはどのようなものがいるのか、病害虫の対処法はないのか解説していきます。

なぜ梅の木に病害虫がつくのか?

梅の花が咲いている頃は梅の木もかわいらしく思えたかもしれません。でも、5月を過ぎるころには徐々に枝葉が伸びてうっそうとしてくることでしょう。

梅の木のことを気にも止めなくなる人もいるかもしれません。そして、知らないうちに枝葉が生い茂り、気づいた時にはジャングルになっている可能性もあります。

梅の木にとっては、ジャングルになっても気づいてもらっただけでも運が良い方かもしれません。

運悪く、管理の悪いお宅に植えられてある梅の木は、3年くらい放っておかれて、だいぶ枝が太く伸びた時にやっと気づいてもらい、あげくの果てには、太い枝元からバッサリと切られてしまい樹勢が弱ってしまう。

そして最近花が咲かないと困ってしまう。そんな扱い方をされてしまう梅の木が多いです。

そのような梅の木には、病害虫が発生している可能性が高いです。なぜかというと、枝葉が密集していると害虫の良い住み家になります。害虫が運んできた病気もつきやすくなります。その逆もあり得ます。枝葉が密集して風通しが悪くなり、病気がこもりやすくなり繁殖し、病害虫たちには絶好の場所となるのです。

要は枝葉が密集していると、風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすい状況になる可能性が一番高いのです。

人間も梅の木もそもそも同じ生き物

そもそも人間も梅の木も悪い環境の中で生活していたら病気になります。もちろん人間にも悪い虫はよってきます。人間の場合は、本当の病気と、悪い行ないや悪い人間などという2つの意味で悪い虫です。

このように考えると、人間も梅の木も同じなのです。
それも理解しないで、梅の木は話せないし、動かない。表情にも表せないし、血も出ない。感情を表せないので、そんな木の気持ちをわかるはずもなく、そんなことを理由に、植えるだけ植えてあとは知らん顔!必要がなくなったら、梅はまだ生きているのに根元から伐採してしまう!人間の身勝手さがとことん伺えます。

自分の子供も梅の木と同じように扱っているのでしょうか。恐らくそうではないはずです。我が子のことはかわいくて仕方がないはずです。せっかく植えた梅の木も同じように扱えない物なのでしょうか。

愚痴っても仕方がありませんが、人間も梅の木も同じで、
環境が悪いと病気になってしまうという事を言いたいだけです。

梅の木に発生する害虫の種類と防除方法

梅の木にには、コスカシバ、オカボノアカアブラムシ、ウメシロカイガラムシ、タマカタカイガラムシなどの害虫が発生します。

それぞれの特徴と防除方法を解説していきます。

コスカシバはどんな害虫か

幹の樹皮にヤニや虫糞が出て凹凸が激しくなっていることがあり、この樹皮を剥いでみると、乳白色の幼虫が住んでいます。これがコスカシバですが、コスカシバが発生すると胴枯れ病を併発したり、樹が衰弱して枯死することもあります。

春に越冬していたコスカシバの幼虫が活動をはじめま、年1~2回発生します。
幼虫の最盛期が5~8月で、成虫は樹皮の割れ目に産卵します。

コスカシバの防除方法

コスカシバの防除法は、被害部を切開して幼虫を捕殺します。樹皮の割れ目などに出す茶色の小さい糞を目印に、釘などで樹皮を少しめくって殺したり、上から木槌で軽く叩いて圧死させます。

秋頃は幼虫はまだ樹皮下の浅い所にいるので、糞の出ている部分を木槌などで軽く叩いて殺します。また、最も羽化が多い9月上旬から10月上旬に幼虫も多くなります。

手術後はトップジンなどを塗って傷口を保護します。
休眠期に、ガットキラー乳剤100倍、ラビキラー乳剤200倍、などを幹に散布します。

オカボノアカアブラムシはどんな害虫か

オカボノアカアブラムシは、若い枝に群生する、淡紫色で白粉に覆われるアブラムシです。
新梢の伸びや果実の肥大に悪影響があります。
4月下旬以降に多く発生すると、樹勢が相当に弱り、葉や果実にすすがついてしまいます。
発生の最盛期は4~5月です。

梅の3世代経過後に、イネ科植物やナス、トマト、キュウリなどの根部で越夏し、9月に再び有翅の雌虫があらわれ、主寄生の梅に戻ります。

梅の木につくオカボノアカアブラムシ

オカボノアカアブラムシの防除方法

防除法は、4~5月頃、スミチオン乳剤1,000~2,000倍、マラソン乳剤1,000~2,000倍などを散布します。

果実をつけている場合は、収穫時期を控えているため、持続性の長い薬剤は使えません。この場合は、残効性の短い薬剤を使います。

ウメシロカイガラムシはどんな害虫か

梅で特に問題なのは、ウメシロカイガラムシとタマカタカイガラムシです。

雌のカイガラは円形で白色、雄はしばしば群生して雌のカイガラを覆い尽くして真っ白になります。多発すると樹勢が衰え、小枝は枯れます。

年3回発生し、幼虫は5月、7月、11月頃、年に3回発生します。

梅の木につくウメシロカイガラムシ雄

梅の木につくウメシロカイガラムシ雌

ウメシロカイガラムシの防除方法

防除法は、小発生の場合は、虫体を竹べらなどで直接そぎ落とします。
薬剤防除では、若齢幼虫の間に、アプロードフロアブル1,000倍を、また、収穫後から落葉期までにアプロード水和剤1,000倍を散布します。

12月に石灰硫黄合剤散布で、ある程度防除できますが、被害が大きければ、実の収穫後の幼虫発生時期の7~9月に1~2回マラソン乳剤を散布します。

11月に多く発生した場合は、11月中旬にマシン油乳剤を散布します。発生が多い枝だけ、部分散布をします。実の収穫後にアプロード水和剤1,000倍液を散布します。
成虫をブラシなどでこすって殺すのも手です。

タマカタカイガラムシの防除方法

タマカタカイガラムシは、枝幹に付く赤褐色で光沢のある半球形のカイガラムシです。
放置すると吸汁害で樹が枯死することもあります。
年1回発生し、ふ化幼虫は5月下旬から6月中旬に発生します。
防除法はマシン油乳剤、マラソン乳剤などを散布します。

梅の木につくタマカタカイガラムシ

梅の木に発生する病気の種類と防除方法

梅の木には、黒星病、縮葉病、すす病が発生します。
それぞれの特徴と防除方法を解説していきます。

黒星病はどんな病気か

黒星病は、果実の表面を緑黒色い直径が1~3mmの円形病斑が覆います。

もっとも普通に見られる病気です。見かけは悪いのですが食への影響はありませんが、著しく商品価値を下げることはあります。

黒星病は5~6月に発生します。病原菌は新梢の病斑組織内で越冬します。高温多雨の年に多発します。

梅の木につく黒星病

黒星病の防除方法

防除法は、水和硫黄剤の500倍、トリフミン水和剤2,000倍、アタッキン水和剤1,000倍液、オーソサイド水和剤800倍などを4月下旬ころから10日~2週間に1回程度散布します。

例年発生が多い場合は、予防として12月に石灰硫黄合剤を散布し、4月中旬から5月下旬にかけて3回程度、キャプタン水和剤600倍やベンレート水和剤2,000倍などを散布します。

縮葉病はどんな病気か

春4~5月頃の新芽が伸びる時に、葉に赤や黄色の小さい火膨れ状の病斑ができます。
葉の生長とともに病斑も大きく膨れ上がり、淡緑色で肥厚、ねん転、縮葉を起こします。

主に新芽の先端部に発生するので、新梢の発育を阻害します。
病原菌は低温を好み、まだ肌寒い頃の4月上旬に限って発生します。

梅の木につく縮葉病

縮葉病の防除方法

防除法は、石灰硫黄合剤の8倍液を春先の芽の膨らむ時期に散布します。
この薬には展着剤の加用をわすれてはなりません。
発生した枝は、発生部を切り取って焼却します。