梅の木を切り戻す強剪定の作業方法

梅の木を数年でも放っておくと枝がだいぶ伸びて手に負えなくなる場合があり、このような枝は、切り戻して樹形を小さくして整える必要があります。

でも、そんなことは本当に可能なのか?枯れてしまわないのか?と不安になられる方。切り戻しは、いつ行えばよいのか気になる方もいると思います。

ここでは、梅の木を枯らさずに伸びた枝を切り戻す、強剪定について解説していきます。

夏の剪定は行なわないほうがよい理由

毎年、梅の剪定を行い樹形を整えていれば、枝が伸び放題になって荒れることは少ないのですが、
天候や栄養状況によっても伸びすぎることもあり、気づいた時には伸びていたということもあるはずです。

一般の人たちは、枝葉が増えるとうっとうしくなり、スッキリきれいにしたがる性質があるようで、お盆前などの特に暑い時期を中心に剪定をすることが多いようです。

特に夏場の暑い時期に剪定をしてしまうと、梅は傷口を修正する作用が働きます。

すると、切ったところからたくさんの余計な枝葉(徒長枝)が、知らないうちに伸びていることに気づき慌てます。

樹勢の多くは、切ったその周辺部分に注がれることになるので、結果的に花芽の数は少なくなり、葉っぱだけが増えることになります。

梅の木全体に注がれるはずの樹勢の多くが、切った周辺部分の修復作用で、突発的に発生した徒長枝に注がれ、花芽が減るだけでなく木も弱ることになるので、夏場の剪定は木にとってはよくないことばかりです。

これが、夏の剪定は行なわないほうがよい理由です。

強剪定を行なえる時期は冬だけ

では、剪定を行なえる時期はいつなのか気になると思いますが、普通に剪定するのはもちろんですが、特に強剪定を行なえる時期は、梅の木がすっかり眠っている冬期の休眠期(11月頃~1月頃)です。

強剪定の場合は、梅が休眠状態に入っている冬期は太い枝を切ったとしても、修復作用は働かないので、養分が切り口に注がれることはありませんので、すっかり休眠した11月頃~1月頃の間に行なうと安心です。
梅の切り戻し剪定

樹形が荒れている場合、梅が休眠状態に入っている冬期だけが、一年を通して、思いきった強剪定を行える時期なので、この時期を逃さず、樹形を整えるための強剪定を行なうように心がけてください。

ちなみに、通常の梅の剪定時期は、10月頃~2月頃がベストなのですが、毎年たくさんの梅の花が咲き、樹形が整っているようなお宅の木は、やはり10月頃から2月頃の間に剪定を行っていようです。

梅の冬期剪定時期は、10月頃(落葉期)~2月頃(花が咲く前)と設定して解説しています。地域により剪定時期に違いがあり、多少ずれる可能性がありますので、適当な時期に剪定を行なってください。

強剪定を行なえば花は咲かない

花を咲かせるためには、何もしないで放任しておくことよいですが、自然にまかせて伸ばし放題にしておくと、枝先ばかりに花が咲くようになります。枝先でも短い枝にしか花芽がつかないので、だんだんと、花の数は少なくなる傾向があります。

伸ばし放題だと間延びして見栄えが悪くなり、だんだんに花も少なくなる可能性もあります。この時期だけが、思い切って切り戻す強剪定をすることができる時期なので、枝が伸びていたら、冬期剪定を逃してはいけません。

ただし、強剪定を行なうという事は、花芽が形成された大部分を切ってなくすことになるので、次の春に花は咲かないことを覚悟して、そのまた次の年に期待しなければいけません。

伸ばし放題で樹形が悪くなっている場合、まずは、樹形を整える土台を作ることが先決です。

伸ばし放題でなくても、多少樹形が悪くなっている場合も、部分的な強剪定で作り直すようにするとよいです。

どのように思いきった切り戻す強剪定を行なうのか

毎年剪定しているけれど、どんどん大きくなってきたり、数年放っておいたから樹高が高くなってしまった経験もあると思いますが、その場合、冬期剪定では、切り戻して樹形を整える作業をすることができます。

枝が伸びて荒れている場合は、花が咲くのを1年我慢して樹形を整え、花が咲く環境作りをします。

その場合の作業として、思い切った切り戻す強剪定を行ない整理します。

切り戻す強剪定は、全体の樹形を見て、どの枝が不要なのか、生育に邪魔になっている枝なのか判断します。要は、樹形の仕上がりを想像して切ります。

どこまで切ればよいのかというと、まずは、太い枝を枝元から切って整理した方がよいでしょうね。

あとその先は一概には言えませんが、誰が見てもきれいに仕上がっていればよいと思います。だからあなたが見て判断して、この状態がきれいだと思えることろまで切り戻せばよいと思います。

たとえば、下図の黄色いラインまで切り戻したり、赤い矢印の太い枝を枝元で切ったり、
梅の徒長枝の強剪定

たとえば、下図の黄色いラインまで切り戻したり、
梅の樹形剪定

たとえば、思い切って、2mくらいまで下げてみるのもありかと、
梅の樹形強剪定

休眠期なので、このように、だいぶ切り戻しても枯れないので、心配はいりません。
梅の木の強剪定

バッサリと剪定しても枯れないか

冬期を選んで剪定をすることで枯れることは少ないですが、病気など、その他の要因が潜んでいれば枯れることはあるかもしれないです。

強剪定をしても枯れる可能性はかなり低いので、梅の木の全体の樹形が荒れているのであれば、枯れることを恐れず、思い切ってバッサリと切って、まずは樹形を整えることをしてみて下さい。

ただし、「バッサリと切れる時期は冬期だけ」なので、この時期を外してしまうと枯らしてしまう可能性は高くなりますので、強剪定をする時期には十分に気をつけて下さい。

冬の強剪定作業のまとめ

冬期は、思い切って切り戻す強剪定をすることができる一番良い時期なので、樹形が乱れている場合や、枝が伸び放題の場合には、一度作業をして樹形を整えておくことをすすめます。

1.通常の梅の剪定時期は、10月頃~2月頃が良い
2.強剪定をできる時期は、すっかり休眠した11月頃~1月頃の間に行なうと安心
3.数年放っておいた伸びた枝や樹形を整理する場合、全体を強剪定して樹形を整える
4.全体の強剪定は、花芽をだいぶ減らすので、次の年の花は期待できないことを覚悟する
5.部分的な強剪定は冬期に随時行える