梅の冬の剪定作業はどんなことをしたらよいか

冬期は梅が休眠状態に入っているので、一年を通してこの時期が、思いきった強剪定をすることができます。

梅の冬期剪定時期は、11月頃(葉っぱが落ちたころ)~2月頃(つぼみが膨らみそうなころ)と設定して解説しますが、温暖な地域、寒冷地など地域に違いがありますので、この時期がずれる可能性がありますので、適宜に時期を選んで剪定してください。

ここでは、冬に行なう剪定作業について解説していきます。

冬期剪定は強剪定が可能

花を咲かせるためには、何もしないで放任しておくことが一番ですが、伸ばし放題にしておくと、かえって太い枝から伸びる地面に近い枝部分には花が咲かなくなってきます。先端に近い枝部分に花が咲くのかというと、そうでもなく、花芽が形成される時に、短い枝に花芽がつくようです。

伸ばし放題だと見栄えもよくなく、だんだんに花も少なくなる可能性もありますので、枝が伸び放題だったら、冬期剪定を逃してはいけません。

なぜなら、この時期は、枯れ枝を取ったり、徒長枝を切って整理したり、切り戻す強剪定など、思い切った剪定方法をすることができる一番良い時期だからです。

梅の冬の剪定

どのように強剪定を行なうのか

毎年剪定しているけれど、どんどん大きくなってきたり、数年放っておいたから樹高が高くなってしまったという方もいると思います。その場合、冬期剪定では、切り戻して樹形を整える作業をすることができます。

そうとう枝が伸びて荒れているという場合であれば、1年花が咲くのを我慢して、一度樹形を整えておくと、その次の年から、きれいな花が咲く環境を作ることができます。

その場合の作業として、思い切った切り戻す強剪定、徒長枝を切って整理したり、枯れ枝を取ったりする方法をしますが、作業の手順は、
1.切り戻す強剪定
2.徒長枝を切る作業
3.枯れ枝を取る
という順番で、大きなところから進めていくと効率的です。

思いきった切り戻す強剪定

切り戻す強剪定は、全体の樹形を見て、どの枝が不要なのか、生育に邪魔になっている枝なのか判断します。要は、樹形の仕上がりを想像して切るという事です。

剪定した結果の樹形は、他の人にも見られる可能性があるので、適当な剪定をして自分の品格を悪く見せたくないと思いますし、個人的に剪定は一種の芸術だとも考えています。

庭木を伸ばし放題だったら、大雑把で適当な性格なんだと思われるでしょうし、あまり良い性格だとは思われないと思います。庭木がきちんと仕上がっていれば、几帳面で、ちゃんとした性格なんだと思われるでしょう。あまり気にされたことがないかもしれませんが、庭の状況は、その人の性格が表われていることを知っておいた方がよいです。

さて、強剪定について、仕上がりを想像して切るという事でしたが、どこまで切ればよいのかというと、各々の梅で状態が違うので、一概に解説する事が出来ません。

ただ、言えることは、誰が見てもきれいに仕上がっていればよいと思います。
だからあなたが見て、この状態がきれいだと思えることろまで切り戻せばよいと思います。
梅の冬の剪定仕上がり

休眠期なので、このように、だいぶ切り戻しても枯れないので、心配はいりません。
梅の冬の剪定切り戻し

徒長枝を切って整理する

徒長枝は、切り取った枝を修復しようとする働きがあり、樹勢を吸い取って勢いよく伸び、切ったその周辺から徒長枝が生えることが多くあります。

梅の生育上、徒長枝に養分が吸い取られることは、ほかの枝葉に供給されるはずの養分も吸い取られることになり花も咲かなくなるので、不要な徒長枝は必ず切り取っておいた方がよいです。

そして、梅が育つには、太陽の光が重要です。樹形の内部に十分に日が当たらないと、細かい枝が伸びません。日が当たらないくらい枝が密集していると風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなります。すると、小枝はだんだんと枯れていくことになります。

徒長枝が伸びると、そのような弊害をもたらすことにつながりますので、不要な徒長枝は、葉がなく樹形内部が見える冬の時期に切り取っておいた方がよいです。

梅の冬の剪定徒長枝

枯れ枝を取る

枯れている枝がどれなのかがわかれば、不要なので必ず切り取っておいた方がよいです。

枯れているのには訳があり、樹勢が弱くて枯れたり、病害虫の被害によって枯れたり、日がよく当たらなくて弱ったりと色々なことが考えられます。

病気によるものであれば、現在健康な枝であっても伝染したり、害虫が増える可能性もありますので、枯れ枝はすっかり取り除くことをおすすめします。

梅の冬の剪定枯れ枝

花を咲かせるための梅の冬期剪定

庭の梅は、花を咲かせたいですよね。

でも、花を咲かせるための冬期剪定は、強剪定をしてしまうと花芽まで切り取ってしまうので行なってはいけません。

花を咲かせるための冬期剪定は、冬期に毎年同じように、枯れ枝を切ったり、徒長枝の長さの調整や整理、部分的な強剪定は行なってもよいですが、花を咲かせたいのであれば、くれぐれも、全体的な強剪定は行なわないようにしてください。

梅の花芽が形成される時期は7~8月ころで、9~10月頃になると花芽も固まりますので、花を咲かせるための剪定時期は、夏場の葉っぱが生い茂る時期をずらして、10月から1月ころまでに行なうとよいです。

7月などは葉っぱが生い茂るので剪定したいでしょうが、まだ花芽が形成されていない早い時期に剪定をしてしまうと花芽がつきにくくなるので、剪定は花芽が確定した後の10月ころから、つぼみが確認できる12月から1月頃までの間に剪定すると良いです。

花を咲かせるための梅の冬期剪定

冬の剪定作業のまとめ

冬期は、枯れ枝を取ったり、徒長枝を切って整理したり、切り戻す強剪定など、思い切った剪定方法をすることができる一番良い時期なので、梅と向き合って、できるだけ作業することをおすすめします。

1.全体を強剪定できるのは、数年放っておいた伸びた枝を切り、樹形を整理する場合だけ
2.全体の強剪定は、花芽をだいぶ減らすので、次の年の花は期待できないことを覚悟する
3.花を咲かせる冬期剪定は、毎年同じように、枯れ枝、徒長枝を整理し、樹形も整えること
4.花を咲かせる冬期剪定作業は、部分的な強剪定も可能