梅の木は確実に大きくなりますので、剪定作業は低い所よりは高い所の作業が多いはずです。
高所作業は危険が伴い、生命に関わることが非常に多いです。
ここでは、高所の剪定作業がどれほど危険な物なのか。そしてその対策についても解説していきます。

剪定時の安易な思い込みが命取り

剪定作業中の事故により、私の周りでも、生活が不自由になったり、命を落とした方が何人もおります。

それだけ高所作業は危険を伴う確率が高いのですが、そのほとんどの方が高齢でもありながら、自分だけは大丈夫だという自信過剰である思い込みが一番厄介です。

「自分だけは大丈夫!」
「まさか、自分は落ちるわけがない!」

絶対はないはずなのですが、そのような思い込みを持っていることで、いくら忠告してもそのような事故は減ることがありません。

何を使って高所作業を行なうかで寿命が変わる

梅の剪定中にできるだけ危険を伴わないように作業するには、足場はどのようにしたらよいかを解説します。

思い込み派が使う道具

一般の思い込みの強い方の多くは、脚立を使っています。

これが寿命を早める原因なのですが、思い込みを抱きやすい「脚立派」の方は、足が4つあるので安定するという思い込みがあるようです。

脚立が安定するのは、地面がフラットな水平の場合のみです。

少しでもデコボコがあり柔らかい地面では、安定が取れず、一瞬でもグラッときたら慌てることになり、脚立から落ちてしまうか、脚立ごとそのまま倒れることになります。

脚立の高さが高いほど、危険度も増し、天国が近くなるので、地面がデコボコで安定しない剪定作業では脚立を使ってはダメなのです。
脚立

プロが使う道具

これが「脚立」ではなく、「三脚」の場合はどうなのでしょう。

プロが使うのは三脚です。

脚立を使っている植木屋さんはみたことがないです。
三脚

これには理由があります。

三脚は足が3本ですが、地面がほぼ水平であれば、地面がデコボコであろうと安定能力はピカイチで、特に不整地の場合には威力を発揮するからです。

梅の剪定使う三脚

ただ、三脚の弱い所は、傾斜地の場合には威力がだいぶ落ちます。

傾斜地というのは安定が取りずらいので、場合によっては傾斜地での高所作業はあまりおすすめしません。

安定を求める方法ですが、足が3本あるので、階段のある側の2本の脚を斜面の下側に水平を取って据え置きます。もう1本を斜面の上側に据え置く作業であれば、傾斜地でも作業は可能です。
すなわち、階段のある側の2本の脚を水平に保てるのであれば傾斜地でも作業が可能です。

梅の剪定使う長い三脚正面

梅の剪定使う長い三脚横

三脚を立てる時の角度も重要

三脚を立てる時の角度に問題があるとその安定も、不安定に変わりますので気をつけてください。

たとえば、階段側の角度を急にしたり、逆にゆるくしすぎたり。または反対側の1本の脚を急にしたりゆるくしたり、その傾斜の加減によって安定度が変わります。

3本の脚の間隔が、どちらかといえば広いよりは狭くしすぎるほど、三脚は細長く立つので安定が悪くなります。

逆に脚の間隔を広げるとどうなるのかですが、足元が土の地面であれが、ストップが効くので有効ですが、コンクリートのような滑りやすい地面である場合、高い確率で足が滑って行きます。

脚の滑り止めを防止するために、脚の間を固定するチェーンなどがついてあるわけです。

梅の剪定使う三脚危険防止

こんな危険なことがおこりました1

私は一度チェーンを使わないことがありました。
地面はコンクリートで水平、高さが1.8m三脚で、60cmくらいのところで作業していました。
高さが低いこともあり、大丈夫だろうと過信して、チェーンはかけていませんでした。
しかし、いきなり三脚の脚が滑って行き、すぐさま自分の足のスネ部分は、コンクリートと階段に挟まれてしまい、タイミングが悪ければ足を折っていました。
それ以来怖ろしくなり、コンクリートの場所では、三脚の長さに関わらずチェーンを使っています。

こんな危険なことがおこりました2

地面はアスファルトでほんの少し傾斜があり、3.6mの三脚を使いチェーンもかかて頂上付近で作業中でした。
すると、少し強い風によって、三脚の脚3本ごとそのまま斜面下側に動いて行ったのです。
作業している自分の目線の高さは地面から5mなので、この状況にはだいぶ慌てました。
もしも三脚が倒れることがあれば、飛び降りなければいけないと思い、タイミングを計るためにとっさに地面を確認しましたが、なんとか止まってくれました。
そこで、さっきよりも、若干足を広げて作業することで最悪の事態を防ぐことができたことは、恐ろしさのあまり、今でも忘れられません。

高所剪定作業の危険性と対策のまとめ

三脚のような人工的に作られたものは、いつ何が起こるかわかりませんので、それらの危険が我が身に起こったことで、私は人工的に作られたものは、信用することをいっさい出来なくなり、高所作業をする場合には、最悪の事態が起こるを予測してから作業に入りようにしています。

具体的には、
・この三脚が倒れた時にどうすればよいのか
・どこかの枝に飛びつくか
・足が折れても頭を守ってジャンプするか・・・とかです。

高所作業で一番良い方法は、三脚を太い木に固定して結わえておくと、グラッときませんし、倒れることもありません。

高所作業をする際には、そのような予防策を取ることが、命を縮めないためにはとても重要です。

猿(プロの植木屋)も木から落ちることがあるんです。ましてや高齢で、高所に不慣れな一般の方は、それ以上の注意や予防策を取ってから、作業に臨まなければいけないと思っています。

高所作業では「過信しないこと!」「思い込みはしないこと!」「事前に予防策を取ること!」