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枝垂れ梅の剪定を7月頃に行なう方法

この記事では、庭師歴25年の経験をもとに、枝垂れ梅の枝葉が密集してしまう7月頃に行う剪定方法を解説しています。

まず大切なことをお伝えします。7月頃の剪定は、花芽ができる頃なので、あまりおすすめできません。けれど、「花芽が減ってもよいから、うっとうしい枝垂れ梅の枝葉を、なんとか整理したい」という場合もありますよね。この記事は、そんな方のために、できるだけ木に負担をかけずに夏に整理する方法をお伝えするものです。最後まで読んでいただければ、夏の剪定の注意点と、上手な切り方が分かります。

1. はじめに知っておきたい:7月の剪定はおすすめではない理由

具体的な方法に入る前に、まず大前提をはっきりさせておきます。結論として、枝垂れ梅の7月頃の剪定は、本来はあまりおすすめできません。

なぜおすすめできないのでしょうか。理由は、7月頃は、ちょうど来年の花のもとになる「花芽(はなめ)」が作られ始める時期だからです。枝垂れ梅は、花後に伸びた新しい枝に、夏(7~8月頃)に花芽をつけます。つまり、この時期に枝を切ると、せっかくできかけた花芽を、一緒に切り落としてしまう可能性が高いのです。

たとえるなら、これは「テスト勉強をしている最中に、ノートを取り上げてしまう」ようなものです。せっかく来年の花の準備をしているところを、邪魔してしまうことになります。その結果、来春の花が減ってしまうのです。

ですから、いちばんおすすめなのは、9月~10月頃に剪定を行うことです。この時期なら、花芽がある程度はっきりしてくるので、花芽を見分けて残しながら剪定でき、来春に咲く花芽を残すことができます。もっと言えば、葉が落ちた冬(休眠期)が、最も枝が見やすく、木への負担も少ない、ベストな時期です。

それでも、「夏に枝が茂りすぎて、どうしても今整理したい」という場合もあるでしょう。その場合は、「花芽が減るのは承知のうえで」「できるだけ軽く」行う、と心得てください。これを踏まえたうえで、具体的な方法を見ていきましょう。

2. 7月の枝垂れ梅で行う剪定の基本

結論として、7月の剪定では「古い枝を若い枝に更新する切り戻し」と「重なった古い枝・枯れ枝を抜く」のが基本です。

なぜ古い枝を更新するのでしょうか。それは、枝垂れ梅は古い枝に花がつきにくく、新しい枝に花が咲く性質があるからです。ゴツゴツした古い枝を、若い元気な枝に世代交代させてあげることで、木が若返り、花つきも良くなります。

具体的な作業を見ていきましょう。まず、ゴツゴツした古い枝を、若い枝に更新する「切り戻し剪定」を行います。そして、その際に、上下に重なり合っている古い枝や、枯れ枝を見つけて抜き取ります。重なった枝や枯れ枝は、風通しを悪くし、見た目もゴチャゴチャさせるので、優先的に取り除きます。

次に、枝の向きで残すか切るかを決めます。外側に伸びる必要な枝を残して、内側に伸びる不要な枝は、すべて切り取ります。こうすると、ほどよい空間ができて、すっきりします。

なぜ「外側を残し、内側を切る」のでしょうか。これは、枝垂れ梅を美しく見せる、いちばんのコツだからです。詳しくは後の章でお伝えしますが、枝垂れ梅は外へ外へと枝を広げて、そこから枝が垂れていくのが、美しい樹形になります。だから、内側に向かう枝は、樹形を乱す不要な枝として、取り除くのです。

剪定に使う道具も大切です。切れ味の悪いハサミだと切り口がつぶれ、特に夏は病気が入りやすくなります。剪定バサミは、切れ味と耐久性に優れた「おの義(推奨)」のものを使えば間違いありません。

3. 密集した枝のどこを切るか迷ったときのコツ

結論として、枝葉が密集してどこを切るか不安なときは「幹から一番遠い枝から、何回かに分けて、順番に攻めていく」のがコツです。

なぜ一度で切り終えないのでしょうか。枝葉が密集していると、どの枝を切ったらよいのか不安になりますよね。そんなとき、いきなり根元から「えいっ」と切ってしまうと、「やっぱり切りすぎた」と後悔することがあります。一度切った枝は、元に戻せないからです。

そこで、おすすめなのが「遠くから順番に攻める」方法です。具体的には、1回で切り終えないで、幹から一番遠い枝(垂れ下がっている枝の下側)から攻めていきます。外に向く枝の分かれ目で、何回かに分けて、幹から遠い所から順番に切りながら吟味していくのです。そして、その時の残す枝の状態を見て、「どこで切り終えたらよいか」を判断します。

たとえるなら、これは「髪を少しずつ切りそろえる」のと同じです。一気にバッサリ切るのではなく、少しずつ切っては、鏡で全体を確認し、また少し切る。こうすれば、切りすぎる失敗を防げますよね。枝垂れ梅も同じで、先端から少しずつ切っては、残った枝の様子を見ながら、ちょうど良いところで止めるのです。

この「少しずつ、確認しながら」という方法は、初心者の方に特におすすめです。慎重に進める分、時間はかかりますが、大きな失敗をしません。焦らず、一本一本、対話するように切っていきましょう。

4. 徒長枝はすべて切らず、必要なものは残す

結論として、徒長枝(とちょうし)は、できるだけ残したくない枝ですが、すべてを切るわけではなく、必要なものは残して樹形を整えます。

まず、徒長枝とは何か。勢いよく、まっすぐ長く伸びた枝のことです。なぜ残したくないかというと、徒長枝は樹勢(じゅせい=木の勢い)を吸い取ってしまうからです。ほかの枝に回るはずの栄養を独り占めし、しかも花もつきにくいので、基本的には整理の対象になります。

しかし、ここが大切なポイントです。徒長枝であっても、全てを切り除くわけではありません。徒長枝周辺の枝ぶりや、徒長枝自体の樹勢状況によって、必要な徒長枝を残して、樹形を整えていくことも考えなくてはいけません。たとえば、ちょうど枝が少なくてさびしい場所に伸びてきた徒長枝なら、それを生かして、その場所を埋める枝に育てることもできるのです。

たとえるなら、これは「やんちゃな子を、頭ごなしに叱らない」のと似ています。元気が良すぎる子(徒長枝)でも、その元気を良い方向に生かせば、立派に育つことがありますよね。一律に「全部ダメ」とするのではなく、一本一本を見て判断するのです。

では、徒長枝を残す場合、どう切ればよいのでしょうか。その場合、外芽(そとめ=外側を向いた芽)を残して、その下で切ります。そうすると、枝は外側に向かって伸びていくことができます。枝垂れ梅の性質上、外に外に伸びて、だんだんと枝が落ちていくのが、枝垂れ梅らしい樹形を作るコツなのです。

5. 内側に向かう枝は必ず切る

結論として、内側に向かって伸びる枝は、どんな時期であっても、必ず切り取ります。

なぜ内向きの枝は切るのでしょうか。それは、内側に向かう枝が、樹形を乱し、木の内部を混みあわせるからです。枝垂れ梅は、外へ外へと広がって、そこから枝が垂れるのが美しい姿です。ところが、内側に向かう枝があると、幹の周りで枝が混みあい、風通しも日当たりも悪くなって、見た目もゴチャゴチャしてしまいます。

たとえるなら、これは「傘の骨が内側に曲がっている」ようなものです。傘の骨は外側に開くから、きれいな形になりますよね。内側に曲がった骨があると、傘の形は崩れてしまいます。枝垂れ梅の内向き枝も同じで、樹形を崩す原因になるのです。

ここで覚えておいてほしいのは、内側に向かう枝は「どの時期であっても、どの時点であっても不要」だということです。7月の剪定でも、冬の剪定でも、内向きの枝を見つけたら、迷わず切り取ってよいのです。これは、季節を問わない、枝垂れ梅剪定の鉄則です。

ですから、枝垂れ梅の剪定のコツは、何よりも「枝が外に向かって伸びるように作ること」を心がけることです。外芽を残して切り、内向き枝を取り除く。この2つを意識するだけで、枝垂れ梅は自然と美しい姿になっていきます。

6. 枝垂れ梅は樹勢が弱い木、強い剪定は禁物

結論として、枝垂れ梅は意外と樹勢が弱い木なので、強い剪定は禁物です。

これは、とても大切なことです。枝垂れ梅は、見た目は立派でも、普通の梅と比べると、意外と樹勢が弱い木なのです。ですから、あまり強い剪定をすると、木を衰弱させてしまいます。

なぜ強い剪定がいけないのでしょうか。特に夏は、木が活発に活動し、来年の花芽を作っている大切な時期です。この時期に、太い枝をたくさん切るような強い剪定をすると、木は大きなダメージを受けます。傷を修復するために栄養を使い果たし、ぐったりと弱ってしまうのです。

たとえるなら、これは「体力のない人に、無理な激しい運動をさせる」ようなものです。もともと体力のある人(普通の梅)なら耐えられても、体力のない人(枝垂れ梅)には、大きな負担になってしまいます。だからこそ、枝垂れ梅は、優しく、控えめに手入れすることが大切なのです。

特に、この記事のテーマである7月の剪定は、ただでさえ花芽が減るリスクがあるうえに、木が活動中の時期です。ですから、「軽く整える」程度にとどめ、決して強く切り込まないでください。気になる内向き枝や、特に飛び出した枝だけを、そっと整理する。それくらいの気持ちで、ちょうど良いのです。

本格的に枝を整理し、樹形を作り直すような剪定は、木の負担が少なく、花芽も見やすい冬の休眠期に行いましょう。夏は、あくまで「応急処置」と心得てください。

7. 失敗しない!花芽と葉芽の見分け方

7月の剪定で、少しでも花を残したいなら、花芽と葉芽の見分けが役立ちます。結論として、この見分けができれば、夏でも花芽をできるだけ守りながら剪定できます。

なぜ見分けが大切かというと、枝垂れ梅の花が咲かない原因の多くは、知らずに花芽を切ってしまうことだからです。特に7月は花芽ができ始める時期なので、見分けられると、被害を最小限にできます。

具体的な見分け方は、とても簡単です。丸くてふっくら太っているのが「花芽」、細くてとがっているのが「葉芽」です。花芽はこれから花になる赤ちゃんなので、ぷっくりしています。葉芽は葉っぱになるので、鉛筆の先のようにツンととがっています。

ただし、正直にお伝えすると、7月の時点では、花芽がまだ小さくて、見分けがつきにくいことも多いです。花芽がはっきり丸くなってくるのは、もう少し後の秋頃です。ですから、夏に「これは花芽かな?」と迷う芽があれば、念のため残しておくのが安全です。

そして、繰り返しになりますが、確実に花芽を見分けて剪定したいなら、葉が落ちた冬まで待つのがいちばんです。冬なら、丸い花芽がはっきり見えるので、安心して剪定できます。夏はどうしても見分けが難しいので、「花芽が減るのは覚悟のうえ」で、軽い整理にとどめると割り切りましょう。

8. 枝垂れ梅の7月の剪定に関するQ&A(よくある質問)

最後に、枝垂れ梅の7月の剪定について読者の方からよく寄せられる質問にお答えします。あなたの疑問もきっとこの中にあるはずです。

Q1:7月に枝垂れ梅を剪定しても大丈夫ですか?

正直に言うと、あまりおすすめできません。7月は来年の花芽ができ始める時期なので、剪定すると花芽を切り落とし、来春の花が減ってしまうからです。それでも、枝が茂りすぎて困る場合は、「花芽が減るのは覚悟のうえ」で、軽く整理する程度にとどめましょう。できれば9~10月、いちばんは葉が落ちた冬に行うのが理想です。

Q2:どうしても夏に整理したいときは、どう切ればいいですか?

軽い整理にとどめるのがコツです。具体的には、上下に重なった古い枝や枯れ枝を抜き、内側に向かう枝を切ります。徒長枝も気になるものだけを間引きます。強く切り込むのは厳禁です。枝垂れ梅は樹勢が弱いので、夏の強剪定は木を衰弱させます。「飛び出した枝や内向き枝だけをそっと整える」くらいの気持ちでちょうど良いです。

Q3:密集してどこを切ればいいか分かりません。コツはありますか?

「幹から一番遠い枝から、少しずつ攻める」のがコツです。一度で切り終えず、垂れ下がった枝の下側(先端)から、外向きの枝の分かれ目で、何回かに分けて切っていきます。少し切っては残った枝の様子を見て、ちょうど良いところで止めます。髪を少しずつ切りそろえるのと同じで、切りすぎの失敗を防げます。

Q4:徒長枝は、全部切ってしまっていいですか?

いいえ、全部切る必要はありません。徒長枝は樹勢を吸い取るので基本は整理しますが、枝が少ない場所を埋めるのに使えるものは残します。残す場合は、外芽(外向きの芽)の上で切ると、枝が外側に伸びて枝垂れ梅らしい樹形になります。一律に切るのではなく、周りの枝ぶりを見て判断しましょう。

Q5:「内側に向かう枝は切る」のは、夏でもですか?

はい、内側に向かう枝は、どの時期でも切ってかまいません。内向きの枝は樹形を乱し、内部を混みあわせて風通しを悪くするので、季節を問わず不要です。これは枝垂れ梅剪定の鉄則です。迷ったら、内向き枝から切る、と覚えておくと、夏でも安心して整理できます。

Q6:枝垂れ梅は普通の梅より弱いと聞きました。本当ですか?

はい、枝垂れ梅は意外と樹勢が弱い木です。見た目は立派でも、普通の梅ほど強くないので、強い剪定をすると衰弱してしまいます。ですから、特に木が活動中の夏は、強く切らず、軽く整える程度にとどめることが大切です。本格的な剪定は、負担の少ない冬に行いましょう。優しく手入れするのがコツです。

Q7:外芽を残して切ると、どうなるのですか?

外芽(外向きの芽)の上で切ると、その芽から枝が外側に向かって伸びていきます。枝垂れ梅は、外へ外へと広がって、そこから枝が垂れていくのが美しい姿です。だから外芽を残すことで、枝垂れ梅らしい優雅な樹形が作れます。逆に内芽で切ると内側に枝が伸びて樹形が乱れるので、外芽を残すのが基本です。

Q8:夏に剪定したら花が咲かなくなりました。もう咲きませんか?

ご安心ください。一年咲かなくても、木が元気なら翌年以降にまた咲きます。今年は花芽を切ってしまった可能性が高いので、来年は夏の剪定を避け、葉が落ちた冬に、花芽を残しながら剪定しましょう。正しい時期を守れば、また花を楽しめます。枝垂れ梅は弱いので、回復のために肥料や水やりで体力を支えてあげてください。

9. まとめ:夏は「軽く整える」、本番は冬に

この記事では、枝垂れ梅を7月頃に剪定する方法について、詳しく解説しました。

今日お伝えしたことを、もう一度シンプルにまとめます。

・7月の剪定は花芽ができる時期なので、本来はおすすめできず、来春の花が減ること。
・それでも夏に整理するなら、古い枝を若い枝に更新し、重なった枝・枯れ枝・内向き枝を抜く軽い剪定にとどめること。
・密集して迷うときは、幹から遠い枝から少しずつ攻めること。
・徒長枝は全部切らず、外芽を残して必要なものは生かすこと。
・そして、枝垂れ梅は樹勢が弱いので、強い剪定は禁物だということ。

これらを守れば、夏でも木を傷めずに整理できます。

枝垂れ梅の剪定でいちばん大切なのは、「枝を外に向かって作る」ことと、「木に優しくする」ことです。外芽を残して外へ広げ、内向き枝を取り除く。そして、樹勢の弱い枝垂れ梅には、強い剪定を避けて、優しく接する。これさえ守れば、枝垂れ梅は美しく育ってくれます。

そして、もし急がないのであれば、剪定は花芽の見やすい冬まで待つのが、いちばんの正解です。夏の剪定は、あくまで「どうしても気になるときの応急処置」と考えてください。

まずはご自分の枝垂れ梅をよく観察し、内側に向かう枝や、重なった古い枝がないか見てみてください。そして、夏はそれらを軽く整える程度にとどめ、本格的な仕立ては冬に行いましょう。

良い道具は、楽しい手入れの相棒になります。剪定バサミは切れ味と耐久性に優れた「おの義(推奨)」を一本持っておけば、枝垂れ梅と長く付き合っていく心強い味方になってくれます。

あなたの枝垂れ梅が、これからも毎年春に、優雅で美しい花を咲かせ続けることを心より願っております。

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